| 南西アジア旅行記 管理人の、7ヶ月間のアジア一人旅 おもしろエピソード |
■ 第10話 ヒッピーの聖地(LSD) インド・ゴアの浜辺の夜 ヒッピーたちの大麻パーティーの場で、イタリア人から買ったペーパーLSD ただ一枚の小さな紙切れである。 後で知ったが、普通はそれを半分に切って飲むのだそうだ。 私はそのことを知らなかったので、一度に全部飲んでしまった!! 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 時間は分からない おそらく10分後くらいか? 目の前がとてつもなく明るくなった!! 「明るい」なんてもんではなく、眩い光の中にいる・・といった方がいいかも この世のものとは思えない明るさだ。 そして、空の上ではビートルズが演奏していた。 「Lucy in the Sky with Diamond」ならぬ「Beatles in the Shinning Sky」だ。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 その先はよく覚えていない。 気がつくと、私は砂の上にべったりと座って、ただひたすらヘラヘラと笑っていた。 全身から力が抜けている。 特に、口元に全く力が入らない。 何か話したが、声がふにゃふにゃしてしまって、赤ん坊か痴呆にような話し方になっているのが自分でも良く分かる。 とにかく、すべてが面白くて面白くてどうしようもない!! 風が吹いてきて、手の上に砂がさらさらと降りかかる。 もうそれだけで面白くて面白くて、幸福の絶頂のように笑い転げる。 見るもの聞くもの触るもの、すべてが面白い。どうしようもなく面白い。 笑うしかないのだ! 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 何十分、あるいは何時間経過しただろう? 笑いがおさまる頃、 私はすべてが分からなくなっていた。 ここはいったい何処だ? 俺は誰だっけ? 本気で、真剣に分からない! 俺は誰だ? 聴覚はものすごい状態になっていた。 考えることと聴覚は完全に連動しており、意識の変化によって音は大きくもなり小さくもなり、超能力者の如くものすごく遠くの小さな音まではっきりと増幅されて聞こえてくる。 考えることには「形」があり、その形は意識の変化によって三次元に無限に広がり行ったり来たり・・・ もはや時間というものさえ無い! ・・・次第に恐怖を感じてきた・・・ 目を閉じてみた。全く暗くならない。明るいままではないか! 私は形容しがたい恐怖を感じているのに、顔は半分笑っているのが自分でもわかる。 これは歓喜の世界だ! いや、死の世界への入り口かもしれない! 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 どれだけ時間が流れただろう。 やがて私は、自分の目の前にあるものと自分との区別がつかなくなった。 椰子の木を見ていると、私は椰子の木だった。 目の前にいる人(メッカチさんだった)が、チャイ(紅茶)を飲んだ。 それは即ち「私が」チャイを飲んだことだった。 私の胃や食道のあたりが、熱くなったのだ。 周囲にいる人と何かを話した。 もちろん会話は全然成立しない。 私はとても苦しくなった。 体ではなく、心、意識が苦しいのだ。 自分が誰なのか、いまだに分からない。 何か考えれば迷路にはまり込んだ。 三次元ではない。四次元、いや五次元の迷路か? あっちへ行ったと思えばいつも間にか反対側にいたり、逆さになったり・・・ 広大無限な曼荼羅のような、螺旋のような、凄まじい迷路だ。 その迷路が恐ろしい。しかし素晴らしく美しい。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 もういいかげんこの状態から抜け出したい! でも抜け出せない! 「このままでは発狂するかもしれない。」そんな恐怖がよぎる。 まるで目を開けたまま、出口を求めてさ迷い歩く苦しい夢を見ているようだ。 私が何度も「ここは何処?」と聞くのを不気味に思ったのか、 隣に居る日本人女性が言った。 「ちょっと! 彼の様子がおかしいよ!」 「そうだ。俺はおかしいんだ。助けてくれ!」・・・そういう気持ちで聞いていた。 (続く) |