| 南西アジア旅行記 管理人の、7ヶ月間のアジア一人旅 おもしろエピソード |
■ 第35話 中東にはホモが多い? 1980年5月18日、イランに別れを告げ、トルコ入国。 国境から車を拾ってドウバヤジッドへ向かう。 こんな小さな町にもモスクがあった。 イラン国境からほんのわずか離れただけなのに、国が違うとモスクの形までこんなに違ってしまうのか・・・ イランのモスクはタマネギの形をしていたのに、トルコのは大きな釜の様なドームと鉛筆の様な塔の組み合わせだ。 トルコ人はアジア系民族だが、そのせいかイラン人より田舎くさい顔立ちをしていて、イランでヨーロッパに近づいたと思ったのがアジアに逆戻りしたような気分になる。 街の人間はすごく話し好きだ。 見知らぬ外国人に対して、次々に話しかけてくる。 賑やかでいいんだけど、こちらがいくら「トルコ語はわからない。」と言っても、おかまいなしにしつこくトルコ語で話しかけてきて、ホテルの部屋まで追いかけてきて話続けるのには参った。 非常に疲れる。 ホテルに入って一安心と思いきや、ここにもうるさい人間がいた。 ドウバヤジッドのホテルのドミトリーで相部屋だったトルコ人も、「時計を交換しよう。」と持ちかけてきて、私が断って寝ようとしてもしつこく話しかけてくる。 私も最初のうちはやんわりと話していたが、あまりにしつこいので、ついに怒鳴りつけてしまった。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 「中東にはホモが多い」・・・ これはインドにいたときから聞いていた噂である。 「イスラム社会の中東では、外で女性の姿を見かけることはまれで街は男ばかりであるが、男女交際などに厳しい戒律の中で生きているため男どおしの仲良し? が多いのだ。」 と言う風に聞いてきた。 ドウバヤジッドのホテルのドミトリー(相部屋)でいっしょだったこのトルコ人も、なぜかしつこく私にまつわりつく。 ・・・こいつ、ホモなんじゃないか? あまりうるさいので怒鳴りつけたためか、彼はしょげたように静かになって自分のベッドに入った。 ・・・やれやれ、やっと眠れるか・・ ベッドに横になり、部屋が消灯されてしばらくして、うとうとしかけた頃、 ?・・・何かが変だ。 私は横向きに寝ていたが、背中のほうに何かの気配を感じる。 何の気配だろう・・・ その気配の正体が人間だと分かったとき、一瞬ぞっとした恐怖に襲われた。 背中の後に人がいる・・・じっと立って私を見下ろしている。 夜盗か? 殺人鬼か? どうしよう、下手に動くと刺されるかも? 気配の人間はただじっと立っているだけのようだった。時間だけが刻々過ぎてゆく。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 眠気はバッチリ消え去り、心臓の鼓動が大きくなってきた。 どうする? じっとしていれば何かされるかもしれない。 意を決して勢い良く振り向いた。大きな黒い影が目に入った。人だ! 「こらっ!」 日本語で大声で威嚇した。 黒い影は一瞬たじろいだように後ずさりした。あの男だった。 あの、しつこくつきまとう相部屋の男だ。 ・・・なんじゃコイツは! 男は、バツ悪そうに何も言わず自分のベッドに帰っていった。 ・・・こいつはホモだ! そうに違いない。本当にいるんだ・・こういう輩が。 しかも、今自分はホモの男と相部屋で夜を過ごしている。 ひぇー!! 早く朝にならないかな。 もう熟睡なんか出来ない。バッチリ目を覚まし、朝まで警戒を怠らないようにしよう・・・ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 長かった一夜が明け、早々にホテルを後にした。 街では子供達が元気に遊んでいる。 子供たちが街で遊んでいる様子を見ても、悪者役の子供が「ホメイニ!、ホメイニ!」と言われて、はやし立てられていた。 トルコ人はイランの国家元首ホメイニ師が大嫌いらしい。 街で出会ったおっさんはホメイニ師を批判し、 「アフガン、パキスタン、シリア、アラビア、そしてこのトルコがグッド・モスリムだ。イランはノーグッドだ。」と言っていた。 5月19日、ドウバヤジッドからバスに乗りエルズラムを経由してカイセリへ。 トルコ中部にある、奇岩で有名なカッパドキア地方に行ってみることにした。 (続く) |